直角三角形を次のような操作で、いくつかの直角三角形に分割していきます。
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ア:直角三角形の1つの辺を選び、そのまん中に印をつける。
イ:つけた印と直角三角形の頂点を線で結ぶ。
ウ:つけた印から直角三角形の他の辺に垂直な線を引く。
ただし、選んだ辺が2つの直角三角形の辺になっているときは
その2つの三角形両方にイ・ウの操作を行う。
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上の操作を1回と数え、下の図の三角形ABCを分割してできた直角三角形に、
この操作を何回もくり返していきます。
たとえば、1回目の操作を行うと、図1、図2のように、
4個、3個の直角三角形に分割されます。
また、図1に対して2回目の操作を行うと、
たとえば、図3、図4のように8個、10個の直角三角形に分割されます。
さらに3回目の操作を行うと、
たとえば図5、図6のように10個、13個の直角三角形に分割されます。
このとき、次の問に答えなさい。
(1)操作を3回行ったとき、直角三角形ABCのそれぞれの辺に印が1つずつありました。
直角三角形ABCは何個の直角三角形に分割されますか。
考えられる個数をすべて答えなさい。
(2)操作を10回行ったとき、直角三角形ABCの辺上にある印は 1個だけでした。
直角三角形ABCは最も多くて何個の直角三角形に分割されますか。
また、最も少なくて何個の直角三角形に分割されますか。
(3)操作を50回行ったとき、辺AC上にある印は10個でした。
直角三角形ABCは、最も多くて何個の直角三角形に分割されますか。
また、最も少なくて何個の直角三角形に分割 されますか。
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(1)操作を3回行って、三角形ABCのそれぞれの辺に印が1つずつあるので、
1個目の印を辺AB,BC,AC のどこにつけるかで、図1、図2のように形が変わります。
まず、図1のように、辺AC上に印をつけると、4個の直角三角形に分割されるので、
残りの辺AB,BC上に1つずつ印をつけるので、
下の図7のように、4個の候補ができます。
辺AB上の2個から1つ、辺BC上の2個から1つ、それぞれ選び操作を行うと、
図7では直角三角形の個数は、8個となります。
次に、最初に辺AB、またはBC上に印をつけるときは、下の図8のように、
7個に分割されます。
よって、考えられる個数は、8個、7個です。
(2)操作を10回行い、直角三角形ABCの辺上に印が1個だけなので、
最初の1回目以外は、直角三角形ABC の内部の辺に印をつけたことになります。
まず、多くの直角三角形に分割する方法について考えます。
1回目の操作では、図1、図2のように、4個、3個に分割できるので、
多くの直角三角形に分割するには、図1になるように、
斜辺(直角を含まない辺)に印をつけます。
図1のあと、2回目の操作では、図3または図4になり、図4の方が多くなります。
その後の3回目の操作では、下の図9、図10のようになります。
ここで、図9の場合が最も多くの直角三角形に分割でき、
図4や図9の青い部分を作るように分割していくことを続ければ、
最も多くの直角三角形に分割することができることがわかります。
この方法を用いれば、
1回目の操作 1個 → 4個 (図1)
2回目の操作 4個 → 10個 (図4)
3回目の操作 10個 → 16個 (図9)
のように、2回目以降は、ずっと 6個ずつ直角三角形が増えていくので、
最も多くて、4+6×9=58個 に分割することができることがわかります。
では、最も少ない場合は、どのようにすればよいでしょうか。
図10の赤い三角形に注目すると、印E によって3個に分割されています。
これは、図3→図5のところでも登場しているパターンの増え方です。
2個しか増えません。
1回目の操作で斜辺に印をつけると、
図10の赤い直角三角形が現れるのは2回目の操作を行った図3の後で、
3回目の操作を行うと図5のようになり、以降は2個ずつ増えていくだけとなります。
よって、この後、図2について検証しますが、
2回目の操作で図3の8個より少なくなるかどうかを調べればよいことになります。
下の図のように、図2の場合は図11、図12のようになります。
ここで、図11、図12の黄色い直角三角形は、図10の赤い直角三角形と同じように、
次の操作では青い点を印として、図13のように、3個に分割されるだけとなります。
図11と図12では、図11が7個、図12は9個の直角三角形に分割されるので、
図11の方が少ないことがわかります。
また、図3の8個よりも少ないことがわかります。
よって、分割の仕方としては、図11→図13の方法を用いれば、
分割される直角三角形の個数は最も少なくなり、
1回目の操作 1個 → 3個
2回目の操作 3個 → 7個
3回目の操作以降は、2個ずつ増える
ということになり、 最も少ない数に分割すると、
7+2×8=23個 の直角三角形になることがわかります。
(3)まず、最も多い場合について考えます。
これは、(2)の図1→図4→図9 のように増やしていけばよいですね。
ここで問題が、辺AC上に10個の印があることです。
図1以外の残りの9個の印をAC上に作らなければなりません。
これは、図4→図6のようになります。
すなわち、
1個 → 4個 になるのが10回、残りの40回は、6個ずつ増えていく
ということになります。
よって、最も多くなると、
1個 → 4個 → 7個 → ・・・ → 31個 → 6個ずつ増
1+3×10+6×40=271個 の直角三角形に分割されます。
次に、最も少ない場合です。
(2)のときは、
1回目の操作 1個 → 3個
2回目の操作 3個 → 7個
3回目の操作以降は、2個ずつ増えると考えましたが、
今回は辺AC上に10個の印があるので、
下の図14→図15のように、図11をはさまずに、2個増えるパターンにすることができます。
よって、最も少ない場合は、
1個 → 3個 → 5個 → ・・・ → ずっと2個ずつ増える
という場合になります。
(辺AC上に印をつける場合も、図2→図8のように2個増えさせる)
このとき、直角三角形の個数は、1+2×50=101個 です。
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