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2014年12月19日 (金)

移動する点の規則性は?(開成中学 2008年) 

1辺5cmの正五角形ABCDEがあります。

下の図1のように正五角形の各頂点、およびそれぞれの辺に頂点から1cmずつ印がついています。

いま、25個ある印のうち、点E  には黒丸を置き、それ以外の5ヶ所に白丸を置きます。

  

白丸は正五角形の周上を反時計回りに秒速1cmで動きます。

また、黒丸は正五角形の対角線上をE → B → D → A → C →  E → B → ・・・  の順で3秒ごとに次の頂点に着くように、一定の速さで動きます。

黒丸と白丸が同時に動き出し、黒丸と白丸が重なると、その白丸が消えます。

このとき、次の問に答えなさい。

(1)動き出して15秒ですべての白丸が消えるような白丸の置き方を下の図2に書きこみなさい。

 

(2)動き出してからちょうど18秒ですべての白丸が消えるような白丸の置き方は何通りありますか。

(3)下の図3のように、白丸が5個連続でならんでいる(白丸の間に印または黒丸がない)ような置き方を考えます。

このとき、動き出してからすべての白丸が消えるまでにかかる時間が最も短い場合の白丸の置き方の例を図2に書きこみ、そのときにかかる時間を答えなさい。

  

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(1)黒丸が3秒で次の頂点に達するので、

15秒では15÷3=5個の頂点を移動することがわかります。

動く白丸の数が5個なので、各頂点で1個の白丸が黒丸と重なれば、

すべての白丸が消えます。

まず、黒丸がE  → B に移動するときに消える白丸は、

Bから3個手前の、下の図4のような位置になります。

 

同様にして、B →  D に移動して消える白丸は、D から6個手前、

D → A に移動して消える白丸は、A から9個手前、

A → C  に移動して消える白丸は、C から12個手前、

C → E に移動して消える白丸は、E  から15個手前にあればよく

下の図5のような位置になります。

 

(2)18秒で黒丸が移動できる頂点は、18÷3=6個です。

(1)より1つ多くなり、E  → B → D → A → C → E → B  と移動します。

最後の頂点Bに移動したときに消える白丸の位置は、

頂点Bから18個手前の印で、下の図6のようになります。

(1)の図5の5個の場所と重なっていないので、

この6ヶ所の位置から5ヶ所を選べばよく、

白丸の置き方は5通り  あることがわかります。

(3)黒丸と重なって消える白丸の位置は、

下の図7のように7個ずつ移動しながら存在することがわかります。

このことを利用して、連続する5個の白丸ができる位置を探します。

始まりが頂点E  なので、E  から始まる数直線を書いてみると、

下の図8のようになり、黒丸と重なる白丸の位置は、

7の倍数のときとなります。(数字の振り方に注意しましょう)

まず最初に黒丸が頂点Bに移動したときに重なる白丸は、最初「7」の位置です。

次に、頂点Dに移動したときに重なる白丸は「14」の位置です。

これを順番に調べていきます。

印が25個周期であることから、25ずつ調べます。

1~25まで・・・7、14,21

26~50まで・・・28、35、42、49

51~75まで・・・56、63、70

このように7の倍数を書けますが、連続しているか判断しにくいので、

26以降を1~25に書き直します。

すなわち、「28」なら、図8の数直線では「3」と同じです。

26~50までは、25を引き、51~75までは50を引き、

といったように調べていくと、

1~25まで・・・7、14,21

26~50まで・・・28(3)、35(10)、42(17)、49(24)

51~75まで・・・56(6)、63(13)、70(20)

76~100まで・・・77(2)、84(9)、・・・

この辺りまで調べると、(  )内だけ周期的に調べればよいことがわかり、

下のように書けます。

1~25まで・・・7、14,21

26~50まで・・・3、10、17、24

51~75まで・・・6、13、20

76~100まで・・・2、9、16、23

101~125まで・・・5、12、19

126~150まで・・・1、8、15、22 

多くの数が出てきたところで、連続した数がないか調べると、

5,6,7,8,9,10  の連続した6個が現れていることが見つけられ、

ここから5個を選べばよく、下の図9のような位置になります。

(12,13,14,15,16  や 20,21,22,23,24 もありますが、

 5,6,7,8,9,10の方が黒丸と重なるのが早いです) 

「8」の位置まで移動するのに、黒丸が移動した頂点の数は、

    3+4+3+4+3+2=19個  で、

1つの頂点への移動に3秒かかるので、

連続して5個ならんだ白丸が消えるまでの最短の時間は、

    19×3=57秒  と求められます。

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