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2014年10月15日 (水)

これ、全問正解は難しい?(栄光学園中学 2014年)

 Pic_4033q

上の図のような時計があります。

左側は時刻を示し、時には0~11、分には 0~59、秒には 0~59 の整数が表示されるものとします。

右側は【時×分×秒】の計算結果になっています。

例えば、上の図のように 5時8分50秒 の場合は、5×8×50の計算結果である 2000 が右側の四角の中に表示されます。

このとき、次の問に答えなさい。

(1)右側の四角の中に表示される整数のうち、最大の数と3番目に大きい数をそれぞれ答えなさい。 

(2)右側の四角の中に表示されることのない整数を小さい順に3つ答えなさい。

(3)右側の四角の中が 777 になる時刻をすべて答えなさい。

(4)右側の四角の中に 4225 は表示されることはありません。その理由を答えなさい。

(5)ある時刻に右側の四角の中の数を見て、その10分後と1時間後にも再び見ました。10分後と1時間後の数は等しく、初めに見た数より 390増えていました。ある時刻として考えられるものをすべて答えなさい。

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(1)最大となるのは、11時59分59秒のときで、

11×59×59=38291  ・・・ 【★】  です。

2番目に大きくなるのは、10時59分59秒 と 11時59分58秒 のどちらでしょうか。

右側に表示される数は、

10×59×59  と  11×59×58 で、

最大のときの【★】と比べると、それぞれ 10/11倍、58/59倍になります。

10/11倍 と 58/59倍 で、どちらが大きいかという問題になってきますが、

分母と分子の差が1のとき、数が大きいとどうなるか調べると、

たとえば 9/10倍 と 999/1000倍 で比べれば

999/1000倍の方が大きくなる (より1に近い) ということから、

58/59倍 の方が大きいです。

3番目に大きい数は、11時58分58秒 か 11時59分57秒なのかになりますが、

2番目に大きい数は、 11×58×59 ・・・ 【☆】 で、

11×58×58 → 【☆】の 58/59倍 ・・・ 【◆】

11×59×57 → 【☆】の 57/58倍 ・・・ 【◇】

なので、2番目に大きい数を調べたときと同じ考え方で、

58/59倍 と 57/58倍 では、58/59倍の方が大きいことがわかり、

【◆】の方が大きく、3番目に大きい数は、

 11×58×58=37004  となります。

なお、10時59分59秒 の 10×59×59 は

【★】の計算(11×59×59)を利用して 37004 より小さくなることがわかります。

 

(2)1時1分■秒 の表示で、1~59 の整数は表示されることはわかりますので、

60以降について考えます。

 60 → 2×30 なので、1時2分30秒

 61 → かけ算を作れないので、表示できない

 62 → 2×31 なので、1時2分31秒

 63 → 3×21 なので、1時3分21秒

 64 → 4×16 、65 → 5×13、66=2×33

 67 → かけ算を作れないので、表示できない

 偶数 → 2×□ となるので、奇数について考えます。

 69 → 3×23

 71 → かけ算を作れないので、表示できない

以上より、表示されない整数は小さい方から 61,67,71 です。

(3)777=7×111=7×3×37 です。

よって、

1時21分37秒、1時37分21秒、3時7分37秒、

3時37分7秒、7時3分37秒、7時37分3秒

の 6回があります。

 

(4)4225=5×845=5×5×169=5×5×13×13 です。

4225=5×5×13×13 ですが、2個ある 13 は、時のところには入れず、

13×5=65、13×13=169で、共に 59 より大きいので、

分と秒のところに別々に単独である必要があり、

その際、時のところが 5×5=25 になってしまうため、表示されることはありません。

 

(5)ある時刻を ○ : △ : □ (○時△分□秒) として、

10分後には、  ○ : ▲ : □ (○時▲分□秒) となり、

1時間後には   ● : △ : □ (●時△分□秒) となる。

と考えると、表示される数は、

 ある時刻 → ○×△×□

 10分後  → ○×▲×□

 1時間後 → ●×△×□

の計算結果で、10分後と1時間後は等しいということから、

○×△×□ の ▲/△倍 と ●/○倍 が等しいということで、

すなわち、▲/△=●/○ (約分すると等しい)ということです。

(1時55分10秒のように、10分後には2時5分10秒と、時間が増えてしまう場合は、

1時間後の2時55分10秒と時間が同じになり、時×分×秒で同じ答えにはなりません)

△と▲の差が10、●と○の差が1ということを考え、1時から順に調べると、

2/1=20/10 、 3/2=30/20 、 4/3=40/30 、

5/4=50/40 、 6/5=60/50→分子(▲)が59を超える。

よって、

 1時10分□秒 → 1時20分□秒 または 2時10分□秒

 2時20分□秒 → 2時30分□秒 または 3時20分□秒

 3時30分□秒 → 3時40分□秒 または 4時30分□秒

 4時40分□秒 → 4時50分□秒 または 5時40分□秒

の4つが考えられます。

この4つにおいて、左側と右側の時刻で表示される数が 390増えるということから、

□秒については、

1時10分□秒 → 10×□ 1時20分□秒 → 20×□

 より、□=39

2時20分□秒 → 40×□ 2時30分□秒 → 60×□

 より、□=19.5 → 整数ではないので、不適

3時30分□秒 → 90×□ 3時40分□秒 → 120×□

 より、□=13

4時40分□秒 → 160×□ 4時50分□秒 → 200×□

 より、□=9.75 → 整数ではないので、不適

となるので、考えられる時刻は

 1時10分39秒3時30分13秒

の2つです。

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コメント

(3) 最後のは,7時37分3秒ですね.

ご指摘ありがとうございます!
間違えました。訂正します。
やはり、全問正解は難しい!
また、よろしくお願いします。

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