奥の細道ー芦野
田一枚 植て立去 柳かな
(たいちまい うえてたちさる やなぎかな)
乙女たちが田植えをしているのを、柳の木の下で見ています。
一枚の田んぼが植え終わったところで立ち去ったと言っているわけです。
問題はこの柳。
現在も芦野の中心から10分ほどの田んぼの真ん中にある柳。
芭蕉さんの時代でも「遊行柳」として有名な柳だったみたいですよ。
「遊行柳」は室町後期の観世信光が創作した謡曲のタイトル。
筋立ては、遊行上人(一遍上人)の前に柳の精が現れて、
その昔、西行の歌に出てくる柳の木の下で昔話を語ったり
舞を見せてくれたりするもの。
西行は平安時代末の漂泊の歌人。その歌は
「道のべに清水流るゝ柳かげしばしとてこそ立ちどまりつれ」
芭蕉さんはとにかくこの西行を崇敬していたみたいで、
この旅に出たのだって、西行にそうとう影響されていたからみたいです。
だから田植えを見ながら、ここは昔、西行法師も立ち止まったゆかりの柳なんだなあ・・・
と、感慨を胸にめぐらせているのでしょうね。
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