円柱の周りを回る点の動きは?(ラ・サール中学 2000年)
円柱があり、正面から見て長方形に見えるときの頂点をA,B,C,Dとします。
点PがAを出発して、円柱の周りを2回周って、最短ルートでDへ向かいます。
また、点QはBを出発して、円柱の周りを1回周って、最短ルートでCへ向かいます。
いま点P,Qが同時にA,Bを出発して一定の速度で移動したところ、
180秒後に同時にC,Dに着きました。
このとき次の問に答えなさい。
(1)点P,Qの作る線PQを真上から見たとき、
底面の円の直径ABと垂直になるのは出発から何秒後か全て答えなさい。
(2)点P,Qの作る線PQの長さが、
円柱の底面の円の半径の長さと等しくなるのは出発から何秒後か、全て答えなさい。
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(1)点P、Qは同時に底面を出発し、同時に上面に着いている
ので、点P,Qは常に底面からの高さが等しいことになり、
線PQは常に底面と平行ということになります。
線PQがABと垂直に交わるのは、点Pが正面側にあり、点Qが
裏側にいるときと、点Pが裏側で点Qが正面側にいるときの
2回考えられます。(下の図1)
このとき、点Pは円柱を2周、点Qは円柱を1周するので、
点Pが移動した距離AP(図1の青線)は、点Qが移動した
距離BQ(図1の赤線)の2倍ということになります。
(点Pが1周する間に点Qは半周するので)
ということは、図1の円の中心をOとすると、
角AOP=角BOQの2倍 ということがわかります。
角BOQ=角BOPでもあり、角BOP+角AOP=180度より、
角AOP=120度、角BOP=60度ということがわかります。
すると、点Pが120度(または点Qが60度)進むのは
何秒かかるのかを調べればよいことになります。
点Pは2周を180秒、すなわち、360×2=720度を180秒
かかるので、120度移動するには、180÷720×120=30秒
ということがわかります。
出発から30秒後ということがわかりましたので、対称性から
点PがDに着く30秒前にもABと線PQは垂直になり、
2回目に垂直になるのは、180-30=150秒後
ということになります。
(2)最初、点Pは点Qと180度はなれています。
移動するにつれて、角度の差は0度に近づき、点Pが1周すると
点Qと重なって、0度になります。(下の図2)
線PQの長さが半径と等しくなるということは、下の図3のように
三角形OPQが正三角形になるということになるので、
角POQ=60度です。
点Pは90秒で点Qに追いつくので、(角度180度→0度)
1秒に2度ずつ差がなくなり、角POQ=60度になるのは、
出発してから (180-60)÷2=60秒後 となります。
また、対称性から、点PがDに着く60秒前、すなわち
出発してから 180-60=120秒後 にも線PQは半径と同じ
長さになります。
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